企業研究 − 情報ファイル

1.関株式会社の拡大・発展は、偶然ではありません

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1978年香川県に進出。「岡山を攻めるしかない」当然の決断だった

●この文章をお読みになっている皆さん方が生まれた頃(昭和53年)、四国は騒然となっていた。昭和48年のオイルショックで計画が凍結されていた瀬戸大橋。これが、いよいよ実施計画に移されたときだった。
四国の卸業者はどうなるだろう、取引先の小売店はどうなるだろう。計画を推進する行政。その同じ行政でも商工分野を司る部門はその影響の大きさに驚愕していた。もちろん、商工団体・流通業界も同様だった。
●ところで、皆さん方は「ストロー現象」というのをご存じでしょうか。
中山間地域の活性化のために道路の拡張をおこない交通の利便性を高めようというのは、地元住民の自然な要望だ。だが結果どうなったのか。全国至る所で同じような悲惨な結果を生みだしているのがストロー現象だった。
道路の拡張で一気に車社会に突入した地域住民は、その利便性に酔いしれ地域外で消費活動をはじめるのだ。当然、地域の経済は衰退するようになる。また、車の維持のために高い所得が必要となる。従って、地域外で勤めるようになる。
あげくの果てに、土日さえ家に帰れば親は安心するだろうと、地域外に居をかえるようになる。人口減少と地域の決定的な衰退のはじまりだ。
●1960年代の交通網の整備と車社会の発達により、次の70年代にはその結果が誰の目にも明らかになっていた。
都市が周辺地域をストローで吸う「ストロー現象」。現在も四国の各県都を核にこの現象は、はなはだしくその勢いは止まることはない。それが、本州の大動脈である山陽道・岡山からストローで四国を吸い上げると、誰の目にも映るのだ。
一企業の倒産だとかいっていられない。仮に生き残ったとしても、地域が衰退すれば企業活動はなりたたなくなるのだ。
●さて、関株式会社の幹部の面々はどのような決断をしたのだろう?
「攻めるしかない」当然の決断だった。

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将来、岡山を照準にした攻めの姿勢。香川県への進出が大きなステップとなる

●香川県の皆さん方には、いささか襟を正さなければならない。
というのも、過去戦国の世に長曽我部一族が四国を制覇したことを思い出されると少々気がとがめる。しかし、問題はもう少しグローバルである。ストローの根本をくじくことは共通の利益となるはずである。これに免じて論を先に進めさせていただきたい。
●じつは香川県進出を図る前、すでに1971年愛媛県進出を果たしていた。
また、さらにさかのぼれば1968年、各部門のフットワークなど機動力を発揮させるべく事業部制(別途の項で詳しく紹介)を導入していた。アメリカ流通事情をいち早くキャッチした先代社長の英断は、四国ではトップをきる決断だった。
その結果見事にその功を発揮し3年後に初の県外進出を遂げている。この事業部制のシステムと松山での実績に裏打ちされた関株式会社の目的は、四国の制覇ではなかった。
●岡山をステップに虎視眈々と四国をねらう大手資本。関株式会社の目的は地域の発展である。
地域にとって大手資本が必要ならば、我々の存在価値はない。しかし、大手資本以上の価値が我々にあれば、地域は我々を必要とするだろう。さて、その時がやってきたのはその後まもなくのことだった。

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1973年、オイルショック「風が吹けば桶屋が儲かる」その時、もう一つの決断があった

●企業の存在価値というものは、いったい何だろう。
利益を上げ社員の雇用を維持する−当然のことだ。また、その利益により納税し国家・地域の各種行政施策を可能たらしめる。道路整備はもちろん、教育施設・福祉施設等枚挙にいとまがない。
しかし、これらには利益を上げるという前提があり、そこに大きな落とし穴があるのだ。つまり、逆に利益を減じることは、社会悪となるからだ。
●その時は1973年オイルショックのことだった。トイレットペーパーにはじまり、紙という紙はあっというまに底をつく出来事がはじまった。
オイル不足がどうして紙に?となるがここでは説明は省こう。紙が底をつき見る見るうちに金額が跳ね上がる現象を見て、皆さんはどうされます?
紙の関を自認する我々は大きな決断をした。適正価格で販売することを決断。そして大きな社会的存在価値を得たのだった。

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